動物看護師試験のための行動学「ティンバーゲンの4つの問い」
2022年から動物看護師が国家資格化されました。
病理や機能形態、薬理など幅広い分野が出題範囲となっていて覚えなければいけないことが山ほどあります。
そんな中、動物看護師業務とあまり縁の無さそうなジャンルなのが「動物行動学」と「人と動物の関係学」です。
「暗記のコストをかけずに試験で点数を稼ぎたい!」という方のために、サクッとポイントをまとめてみたので、ぜひ参考にしてみてくださいね。
動物行動学①ティンバーゲンの4つの問い
動物は様々な行動をします。
1つの行動に対して4つの視点から科学的なアプローチをかけることが出来ると考えたのが動物行動学者のニコラス・ティンバーゲンという人です。
ちなみにティンバーゲンは動物行動学者でありながら、ノーベル医学生理学賞を受賞しました。また、彼が受賞した際はコンラート・ローレンツやカール・フォン・フリッシュという動物行動学者も受賞したことで話題になりました。
ティンバーゲンの4つの問いは以下のようなアプローチ方法です。
機能(適応)
メカニズム(機構)
個体発生(発達)
性成熟などの個体の成長過程が出ていたらコレです。
究極要因と至近要因
機能と系統発生はその行動をする動物種全体に当てはまるアプローチ方法なので、究極(進化)要因と分類されます。
一方、メカニズムと個体発生はその行動をする動物個体に対するアプローチ方法です。こちらは至近要因と呼ばれています。
犬のマーキング行動を例に、各記述が4つのうちのどれなのか選んでみましょう。
・マーキングは、性成熟を迎えた頃に表出する行動である。
・マーキングをすることで、他の動物に対して自分の存在を誇示することが出来る。
・性ホルモンが分泌されることにより、マーキングが表出する。
・ネコやオオカミなど、他の食肉目の多くがマーキングをするので、イヌもこれを受け継いだため。
正解は
・マーキングは、性成熟を迎えた頃に表出する行動である。(個体発生)
・マーキングをすることで、他の動物に対して自分の存在を誇示することが出来る。(適応)
・性ホルモンが分泌されることにより、マーキングが表出する。(メカニズム)
・ネコやオオカミなど、他の食肉目の多くがマーキングをするので、イヌもこれを受け継いだため。(進化)
個体の話なのか、動物種全体の話なのか、このポイントを押さえておきたいテーマですね!
扱って欲しい内容などがあったらコメントなどで残してもらえると嬉しいです。
当面は統一機構に載っている試験範囲を優先的に扱う予定となっております。
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